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CRM関連の本を読みました。CRMの分析手法としては、クロス集計によるRFM分析(Recency,Frequency,Monetary)からデーママイニングによる統計分析への転換が大きなトレンドとなっております。その中で、データサイエンティストというポジションが今後大きなニーズとなるのかと思います。
しかし、本書にはそのようなことは言及されておらず、まずはしっかり顧客ニーズを分析し、それに対してCRM活用へ向け業務設計をどのようにすべきか、という点について焦点を置いてます。

例えば、CRMの一つである、コールセンタの活用に関して、自社内で既にコールセンタを持ち、さらなる潜在顧客を発掘したい場合には、顧客接点履歴をDWHで管理し、他の顧客情報と統合させ、購買履歴・行動履歴の分析へ活用される方法があります。その一方で、業務迅速化や高いコストを投資し新しいコールセンタを構築する場合には、BROにより高いナレッジやノウハウをもつ外注へ業務委託するといオプションもあります。

SFA(Sales Force Automation)もその一例です。SFAは本来、営業員が上司や同僚と情報共有を図るためのコミュニケーションツールでありますが、内勤時間を使い、日々の活動履歴や分析のための分析(e.g.提案商品の予実入力)に情報登録することが大きな負荷となり、形骸化してしまうケースがあります。そのようなことに時間を割いているのであれば、顧客へどのようにアプローチすれば、求めているニーズに対して良い提案ができるのか、という時間に当てた方が良いと思います。

いずれにせよ、顧客中心主義に物事を推進していくことが、激化した競争社会に勝ち残るための第一歩だということだと思います。最大公約数的なマスマーケティングや新たなCRMシステムを導入すれば売上拡大実現という幻想に、警鐘を鳴らす本でした。