中国への入門

中国を知る上で、非常に参考になった。日本を抜き、経済大国第2位に上り詰めた中国は国際社会の立場上、ますます注目が集められている。特に私が興味があったのは、中国経済についてだ。なぜ中国は急成長できたのか?そういう疑問を抱きながら、読んでみた。本自体は経済を主軸にして、書かれているため、かなり読みやすいと思う。たいてい、そのお国柄を知るには、政治への理解も欠かせないが、そんなことはなかった。
読んで思うこと。日本はうかうかしてられない。公務員になる、あるいは大企業に入社できれば、安泰な人生が保障されるという考え方を捨て去るべきだと思う。就職氷河期が長く尾を引いているため、どうしてもそういう潮流に流されてしまう傾向にある。昨日社内研修で、これからはIT技術に加え、会計・経済の知識や語学力(英語、中国語)を身に付けなければならないと講話があった。それだけの能力を身に着けても、大した報酬を得られない。仮に地道に10年以上働き、課長クラスになっても年収1,000万オーバー、部長クラスで年収1,500万が関の山だ(たいていの企業では)。年金や企業の存続が保障されない世の中で、一つの場所に踏みとどまっているメリットは無いと個人的に思う。今の日本社会にとって欠けているのは、「貪欲さ」なのかもしれない。
中国は自国にない技術やノウハウを手っ取り早く入手するために、貪欲に多額の海外投資を行い、最先の端技術を持つ中小企業を買収している。また自国で技術を培うために研究費にかなりの投資を行っている。これからの中国がどのように変化を遂げるかは分からない。しかし、何もアクションを起こさないよりかはマシなのではないだろうか。中国は多くの犠牲を払って急ピッチで成長してきたが、何事にもトレードオフは付きまとう。


中国を知る 第2版―巨大経済の読み解き方 (日経文庫)

中国を知る 第2版―巨大経済の読み解き方 (日経文庫)