ブームな理由
ふらっと寄った本屋にあったので、購入した。なぜブームなのかは、色々な人のレビューを参考にしたのだが、現在の派遣などの非雇用社員の労働体系が小説の世界観と重なり合うからだと思う。
個人的な意見としては、歴史を知るには大変良い本だと思ったが、上述したことには似ても似つかない事実だと感じた。理由は、正社員として就業したくてもできない人たちが派遣先で流した汗が、金の歯車が上手く回り、上層部に搾取されいる事実がある。しかし一方で、現代社会は労働力を酷使するほどの過当労働を課していないし、仮にそれが行われたとすると労働組合が黙っていないと思う。まず、その責任者は逮捕されるだろう。なので、小説の世界観を鵜呑みにするのはどうかと思った。
で、この本は我々に、金が不当に循環するシステムが過去に比べて、巧みとなり、過ちというものは本質的には似ているが、違う形となって繰り返されているんだという盲点を突いているものだと思う。
- 作者: 小林多喜二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1953/06/30
- メディア: ペーパーバック
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